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マスクとうがいは予防効果があるのか?
 予防法はある。他のあらゆる病気と同じく、ふだんの健康的な生活(十分な睡眠、適度な運動、バランスのとれた食事、ストレス回避)が基本だ。ここに耳にタコができるほど聞かされてきた「手洗い」「マスクの着用」「うがい」が加わる。「手洗い」はともかく「マスク」と「うがい」にはその予防効果に疑いの声も聞かれるが実際のところはどうなのだろうか。

 まず手洗いだ。通勤時の電車のつり革、階段の手すりなどあらゆる場所に風邪を引き起こすウイルスや細菌が潜んでいると考えていい。私たちは無意識に口の付近に手を当てることが多い、手づかみで菓子類を食べることもあるだろう。そこに感染の危険がある。手洗いにはそれらのウイルスや細菌を殺すのではなく「洗い流す」効果があるのだ。もちろん石鹸をつけて丁寧に荒い、消毒ジェルなどを併用すればある程度「殺す」こともできるだろう。

 マスクについては「ウイルスや細菌はマスクの編み目よりずっと小さいから通り抜けてしまうはず」という意見がある。実際そうなのだが、ウイルスは空気中を漂うだけでなく、せきやくしゃみの際の唾液や鼻水の飛沫内に大量に潜んでいる。マスクを着けていればそれらを他人に飛ばすことを避けられる。つまり他人への感染を防ぐ効果があるのだ。

 では風邪をひいている人だけが着用すればいいのではないか?いやいや、マスクを好んで着けている人ならおわかりだろうが、冬には防寒具としても優秀だ。(インフルエンザウイルスの好む)冷たく乾いた空気を直接吸い込まないこと、呼吸器を乾燥から守ることができる。他人の飛沫を直接口や鼻の周辺に受けることを避けられる。というわけでマスクにもおおいに予防効果があるのだ。

 うがいの目的はのどの粘膜についた細菌やウイルスを洗い流すこと、のどを刺激して(異物を痰とともに排出する)繊毛運動の衰えを防ぐことのふたつがあるとされている。ところが日本以外に風邪の予防法としてうがいを挙げる国はなく、これが「うがいは無意味」説の根拠のひとつらしい。実は、のどをガラガラさせるタイプのうがいの習慣がある国や地域は少ない。習慣がないのなら予防法に挙がらないのも道理だ。なお、水うがいの効果は京都大学の川村孝教授らのグループの研究により実証されている。

 健康的な生活にしろ、手洗い・マスク・うがいにしろ、ほぼ確実に風邪を予防してくれるというわけではない。無菌室で暮らさないかぎり絶対にかかるのが風邪というものだ。そのうえ確固たる治療薬はなく、こじらせると命にも関わるとくれば恐ろしい病気のようだが、実のところ風邪に恐怖を感じている人は少ないだろう。絶対かかるが絶対治ることを身をもって知っているからだ。今後も恐れずに油断せずにというスタンスで付き合っていきたいものだ。
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